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アンリの手はなぜ「神の手」なのか   

To err is human, to forgive divine.
  (「過ちは人の常,許すのは神のわざ」)


日本のテレビでも何度も映っていた,サッカー・ワールドカップ予選
「アイルランド対フランス」でのアンリのハンド.

あれを1986年本戦準決勝でのマラドーナのゴールになぞらえ,「神の手」
と報道されましたが,違和感がありました.

「神の手」というのは間違ったことを曲げるものなのだろうか?

疑惑を通り越して,単に審判の目に入らなかったためのミスジャッジが
あるたびに登場させられては,神様も迷惑だろうと思います.


しかし,西洋には冒頭のようなことわざがあります.

 To err is human, to forgive divine.

人間であるかぎり誤りが起こるのは避けられない.それでも神は寛大に許す.

審判の見ていないところで反則をして黙っているというスポーツマンらしくない
プレーをしてしまっても,許すのが神.「神の手」はアンリの手ではなく,まさに
神の業(わざ)ということなのかも知れません.

アンリは試合後に,「あれはたしかにハンドだった」と告白しました
懺悔のつもりだったのかもしれませんが,同時にこう付け加えました.
 「しかし私は審判ではない」

私はキリスト教徒ではないので,実際の懺悔がどのようなものか知りません.
ただ,
 「私は過ちを犯しましたが,是非は私が決めることではありません」
という懺悔は,たぶんないだろうと思います.


err は error の動詞形.普通の会話ではめったに使われませんが,
ニュースで何度も見る唯一の表現が,
 err on the side of ~  (~となりすぎて誤る傾向がある)

文字通りには「~の方に誤る」という意味ですが,時には
 同じするなら~となりすぎて失敗するくらいに
というポジティブな使い方もするようです.

アメリカのグリーンスパン前FRB議長が,金融政策を説明する声明の
中でよく使っていましたが,次の文も(違う人の発言ですが)
金融政策に関するものです.これは意味がはっきりしていますね.

 If one is going to err one must err on the side of excessive ease.
  (もし間違うのならば,超緩和の方に間違うのでなければならない)



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by t-globe | 2009-11-23 08:57 | メールマガジン&英語